どうも。「心に残った本」と言うよりは、ポッドキャストでダウンロードした朗読を聴き、そこから「いつまでも頭の中から離れない文章」と言った方が正しいのでしょうか・・・。
先ほども言いましたが、最近音楽を聴くよりも朗読を聴いていた方が落ちつくので、朗読ばかり聴いております。その中で、「こんなに素晴らしい表現があろうか!」と、恐ろしく感動したものを2つ紹介したいのです。ちなみに、本の内容とは特に関係がないので参考にはなりませぬ。
1作目は太宰治のヴィヨンの妻です。読んだ事ある人は多いのでしょうか?個人的には太宰治の作品は読んでいるだけで卑屈になってくるので元気な時にしか関わらないようにしておりますのよ。
夫の借金を返さなければいけないが、良い当てもなく幼い息子を抱いて街をうろつく妻が思った事。
『坊やは、何と思ったのか、おいもを口の中に一ぱい頬張ったまま、けけ、と妙に笑いました。わが子ながら、ほとんど阿呆の感じでした。』
です。これは事ある毎に思い出し、私を悩ます。赤子が「けけ」と笑う様・・・。末恐ろしい!昔は犬の鳴き声を「びょう!びょう!」と表現していたのと同じくらい気になる!主に吉田戦車が書く赤子の絵で、「けけ」という擬音が描かれている感じ。ちょっと失笑したい時に最近毎回この図が浮かぶの。かなりの影響力のある一言でした。
さて、2作目は菊池寛の俊寛です。
平家打倒の陰謀に失敗し、鬼界ヶ島へ島流しにあった俊寛。陰謀の張本人と言う事より他の受刑者が赦されたけど、俊寛のみ鬼界ヶ島に取り残された。そこで出会った少女に良い所を見せようと大きな魚を釣ろうとするが上手くいかず。そこで少女がとった行動。
『その時に、突然かの少女が叫び始めた。俊寛は、最初彼女が、何か自分に話しかけているのではないかと思った。が、少女は天の一方を見詰めながら叫んでいる。そのうちに、俊寛は、その叫び声の中に、ある韻律(いんりつ)があるのに気がつく。
そして、この少女が歌をうたっているのだということが分かる。』
です。俊寛ひどい!少女も頑張っていい所を見せようと思ったのに!ただ、これから2つの事が思い出された。1つはインド女性の歌い声。2つ目はクリンゴンの歌い声。まあ、この2つについては私に取って大変重要なポイントですが、全く興味がない人の方が多いはずなので無視して下さい。ただ、俊寛の感覚に新鮮みを覚えたもので。
今でこそ音楽には色々なものがあると言う事を私たちは経験から知っておりますが、当時は勿論そんな事を知る由もなく。ノイズバンドなんて、この当時にしたら恐ろしい程のタダの雑音だもんね。
ということで、カプラ!