夢をみるのは勝手さ

 ああ、こうなりたい・・・。と思う事がいくつかある。ただ、中身が無く外側のみ。ああ、なんと薄い人間なんだ。

 さて、この前ストックホルムに遊びに行っていたんだ。夫の友人が最近ストックホルムの中心(と言っても範囲は広いが・・・。)に事務所を持ったのです。前までは自宅を事務所としても使っていたんですが、仕事と私生活が一緒になりすぎて嫌だったんだと。前からよい場所を探していたらしいのですが、それがやっと見つかったと言うのです。

 元々工務店だったようで、とても汚かったらしいが、全てを改装し直して今ではオシャレで真っ白な事務所となっております。そこにこの前遊びにいったの。そそそ、そしたらあまりにその事務所の場所、内装が素晴らしく、涙が出る程事務所が欲しくなったのよ・・・。でも、私は貧乏学生。どうして事務所が必要なのか!いや、全くもって必要ない。

 私は思いつきで、しかも全く心がこもらない言葉をよく吐く。まわりの心優しい人には申し訳ないが、私の心のこもらない、全く魂のこもっていない言霊を四方八方に吐きまくっているの。「この事務所が欲しい。いや、私には必要だ!」とか、「Fさん、アナタも事務所を持つべきだ!」等など、大変心がこもっている風に言うのです。

 ああ、こうなりたい。そう、このような首都の中心に事務所(業種無し)をかまえますの。朝は近所のカフェでコーヒーをテイクアウトしますの。お客さんから電話で「これ、急ぎでどうにかでいない!!!???(内容は無い)」って慌てて電話がかかってきても大丈夫。「やってみる!」と心強い返事をし、ササッとどうにかする(何をどうするのかは知らない)。そしてすぐにお客さんに電話をして「手配したわよ(何を手配したのかは知らない)」と言うのです。するとお客さんが”Gud (英語のGod)! Gud vad bra!!! (おお、なんと素晴らしい!)”って言うのさ・・・。ああ、最初は事務所が欲しいなーって言う妄想だったのが、次第に誰かに”Gud! Gud vad bra!!!”って言われたいだけになってしまった・・・。こういう大げさな喜び方って、大抵は女の人(我が街の人よりストックホルム人の方が言うような気がする)か、ゲイの人だわ。

 ちなみに夫はストックホルムで働いていた時にスウェーデンの有名アーティスト(ゲイ)が若い可愛い男子2人を引き連れてやってきたそうな。パソコンのメモリーを増設したいかなんかだったらしいのですが、たまたま必要なものが無くて「入荷に数日かかるんだが・・・」って言ったら「Guuuuuuud!」っていいながら崩れ落ちたらしい・・・。ゲイの知り合いは数人いるのですが、まさかそこまでテレビや映画で見るようなステレオタイプな事をする人は見た事が無かったので、とても感慨深かったと言っていたの。

 私の妄想なんて、所詮この夫が目の当たりにした出来事と、その友人の事務所が作り出した、内容も面白みも無いものさ。ああ、事務所が欲しい・・・、もしくはアルパカが欲しい。

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